精神科デイナイトケア たんぽぽ
デイナイトケアとは?
デイケア(デイナイトケア)とは、外来治療のリハビリテーションのひとつです。
・病状の悪化を防ぐこと、プログラムを通して自分の病気の事や生活の事を学ぶ場、生活に与える病気の影響をなるべく減らしていく。
・人と接するのが苦手、まずはデイケアに来て、人がいる場所になれる。
・仕事をする前にデイケアに来て生活リズムの習慣をつけていきたい
など…一人一人の目的に合わせて利用することができます。
様々な人とのかかわりや体験を通して、よりよい自分らしい生活が送れるよう目指します。
利用時間
あなたの体調や目的に合わせて、3つの利用パターンがあります。
①デイケア
夕方のミーティング後までの利用となります。
②ショートケア
長時間いるのがしんどい、徐々に慣れていきたい時などにおすすめです。
※食事サービスは利用できません。
③デイナイトケア
夕食後までの利用となります。
通所開始までの流れ
当デイケアたんぽぽを利用したい場合、まず、見学・体験を実施しています。
主治医の先生と利用していい状態なのか確認してからご相談ください。
体験期間を経て、多職種での受け入れ会議を実施します。
通所日時の調整の後、正式登録となり利用開始となります。
プログラムの流れ
1人1人に担当スタッフがつき、通所開始から面談を持ち、デイケアでどう過ごすか決めていきます。
プログラムへの参加を通して、同じ悩みやしんどさを抱えている仲間とのつながりができ、自信や自主性を回復することで、社会参加を促進します。
定期面談を実施し、目標の再設定をしながら次のステップを目指します。
どんなことをやっているの?
デイナイトケア たんぽぽでは、大きく分けて6つの柱に分けてプログラムを展開しています。
自分の利用目的に合わせて、プログラム活動に参加していきます。
病気とうまく付き合っていきたい
自分を知っていきたい
自信をつけていきたい
〇当事者研究&当事者研究講演
当事者研究とは、北海道浦河町における「べてるの家」と「浦河赤十字病院精神科」で始まったリカバリープログラムの一つです。デイナイトケアたんぽぽでは、2012年4月から取り入れ実践しています。「心の元気+(プラス)2017年7月号」にデイナイトケアたんぽぽ当事者研究が掲載されました。
また、当事者研究講演として当院の新人職員研修やリハビリテーション学院(5校)、看護学校(1校)において、毎年講演活動をしております。講演者の方々は、それぞれの施設から特別講師委任状を受け、講演をしております。
〇γ会(断酒・減酒の会)
アルコールで苦しい体験をしてきた方々やアルコール依存症の当事者たちが声を掛け合い、自主的に生まれたプログラムです。2014年9月から活動を開始し現在に至っています。動画を用い、アルコールの勉強や体験談を皆で聞きながら共有しています。
アルコールとの付き合い方は、参加者それぞれが自分に合った方法を見つけ出せるように応援しあっています。機会飲酒派、週末飲酒派、完全断酒派の方々がおられ、お互いに認め合いながら和気あいあいとした雰囲気の中で真摯に活動を続けています。
〇WRAP(元気回復行動プラン)
WRAP(ラップ:元気回復行動プラン)は、元気になり、元気であり続け、なりたい自分になる為の自分で作る自分のためのプランです。アメリカの精神的な困難をお持ちの方たちによって作られた、リカバリー(元気回復)に役立つツールです。グループ内でWRAPの考え方の基になる5つの考え方を話し合ったり、元気になる為の道具箱(ツール)探しを一緒に行っていきます。
皆さんと一緒に“自分自身の取り扱い説明書”を作っていきましょう!
〇薬局勉強会 (月1回)
お薬や健康に関する勉強会を薬剤師が行っています。自分の使用している薬について、体に悩みを一緒に考えていきます。
自分の居場所を見つけたい
相談できる仲間がほしい
〇ピアスタッフ・ミーティング
最近では、色んな場所でピアスタッフ活動がなされるようになってきています。「デイナイトケアたんぽぽ」においても、2012年4月からピアスタッフ活動の産声をあげ、活動してきました。私たちのピアスタッフ活動の目的と役割を紹介します。
- 当事者研究やWRAP(ラップ)に取り組みながら、生活のしづらさや課題を克服していき、自らの助け方を学び、他者へのサポートや助け手となっていく事を目指します。
- ピアスタッフや興味関心のある方々が集まり、勉強会やお互いの研究経過、苦労の分かち合いを行います。
- 「デイナイトケアたんぽぽ」の施設案内及びプログラムの紹介を行います。
- 当事者研究講演活動。
- 当院の入院患者さんとのミーティング活動を通じた退院支援。
ピアスタッフからの一言&アドバイス
精神的な病気になることは本当に大変です。でも仲間たちと話し合う中で、人間は回復する力を持っていると実感できました。
デイナイトケアに来てから、日常生活は整うようになってきました。病気への対処方法を見つけることが出来て、自分やみんなへの理解が深まっていきました。
デイナイトケアのプログラムに参加することで、考える姿勢や伝え方など、スタッフメンバーさんとシェアできて、勉強できることばかりです。
楽しみを見つけたい
趣味を増やしたい
外出するきっかけが欲しい
リフレッシュしたい
様々な外出レクリエーションやリラクゼーションプログラムがあります。季節や自分のやりたいことに合わせてプログラムを組み合わせることができます。
【外出レクリエーション】
毎月ショッピングや飲食店などに外出する機会があります。外出先はメンバーさんみんなで決めていきます。
小レク・大レクがあり、小レクは比較的近場で行うことが出来る、スポーツや小食があります。大レクでは、ウォークラリーやお花見などを行っています。
外出したいけど一人では心配な方も参加がしやすいです。こうした外出を通してメンバーさん同士の交流を持ち、皆さんが楽しまれています。
〇買い物ツアー、外出ツアー、散髪ツアー、温泉同好会、図書館ツアー等
【デイケア内リラクゼーション】
- リラクゼーション・マッサージ
体と心は密接な関わりがあります。心が疲れた時には、体も疲れやすくなります。その反対に体が楽になると、心が軽くなる事もあります。
専門スタッフが20~30分の時間で、心と体のリラクゼーションを行います。ぜひご相談ください。 - 創作活動(月曜~金曜 10:30~11:30)
塗り絵、編み物、折り紙、脳トレ、季節の飾りなど様々な活動を行っています。集中して取り組むことで、気分を落ち着かせたり、リラックスする効果も期待できます。現在新たにマスキングテープを使った、ちぎり絵(マステアート)を週1回(木曜日)実施中です。 - 映画(月に1回)
様々なジャンルの中から観たい映画の希望を聞き、上映しています。映画を通して、完成を磨いたり、リラックスできたり、いつもと違う空間でゆったりと過ごすことが出来ます。 - たんぽぽ図書館
本は私たちにとってとても大事なパートナーです。文庫から雑誌等のいろいろな本を置いています。読書をされて、他のメンバーさんにも面白い、お勧めしたいと思ったときは、読書紹介カードを書いてもらい、掲示させてもらうことで、他のメンバーさんにも読書の楽しさを伝えてもらっています。
身体を動かしたい
体調管理が心配・・・
これからの健康の事を考えて生活したい
〇スポーツプログラム
【月1回開催】
- バドミントン・ソフトバレー・卓球・陸上
気分をリフレッシュさせたり、みんなと一緒に体を動かすことで、他のメンバーさんとも自然と会話が生まれ、楽しく参加出来る活動です。運動不足の方、運動が苦手な方でも、楽しみながら体を動かすことが出来ます。
【週定期開催】
- 散歩サークル(月曜・水曜・金曜 10:00~10:30)
施設近くの河川敷にて30分程ウォーキングを行っています。みんなとお話をしながら気分転換に歩いたり、ダイエット目的に参加されたりしています。運動が苦手な方も続けられて、体力づくりに最適です。 - スロー筋トレ(月曜~金曜 11:30~ 10分程度)
ゆっくりとした動作で行う筋力トレーニングです。体の負担が少なく安全に続けられます。頭の体操もかねて脳トレを実施しながら体を動かします。
〇健康管理プログラム
- ビフォーアフター
生活の中で、食事・体重・運動のバランスは重要になります。「ビフォーアフター」では、健康に関する知識を深めたり、参加者の皆さんと共に軽い運動にチャレンジします。 - 栄養教室ミニ
主食・主菜・副菜のバランスを分かりやすく説明し、自分の食事を振り返ってもらいます。また何をどうすればよりいい食事になるかをみんなで考えます。